空間アナリティクス


Abstract

“空間アナリティクス”は、データを3Dプリンタやレーザーカッターなどの情報機器を利用しないで立体化し、なめらかな「かたち」でなく、数えることができる「データ」であることを明らかにするための手法である。
本来、データ(数値)は目に見えないものだが、私たちはディスプレイなどの支持体を用いて、見ず知らずのうちにデジタルデータを見ている。しかしそれ自体にデータとしての認識はなく、データの集合による「かたち」を見ていることだろう。データによる「かたち」は、支持体が高精度になるほどなめらかになり、データとして認識することは難しくなる。また、私たちが関わるデータの中で、「かたち」として見ることができるデータは一部で、ほとんどのデータは見えないまま、私たちになんらかの影響を与えている。
「空間アナリティクス」は、機器が取得する膨大なデータと人が受容できるデータの差を形から見出し、人が受容できる小さなデータの可視化と認識できない膨大なデータの存在を理解することで機能する。
人はどういったデータや情報を認知し理解・管理すべきなのかを問い直し、物理的な肉体を持った人にとって重要なデータ・情報とは何かを再考する。
空間アナリティクスの実践として、「デジタルヒューマン」「手」の立体彫刻作品を制作した。