ほぼセルフぃ

fig.1 ほぼセルフぃ 展示風景


Abstract

ほぼセルフぃとはセルフィと呼ばれる自撮り写真と、より近い位置付けで、3dスキャンによるデジタルデータについて考えるために、つけた名称である。
本作は3dスキャナを利用して制作した映像と、それ自身を並べることで、映像に映る3dデータは「ほぼそれ自身」であると共に、それは「それではない」ことを改めて再考するために作品として制作した。
「それ」には多くの人が利用するだろう日用品として、それを3dスキャンをすることによって形状のデータと表面の画像データを取得する。その3次元データを映像として「ほぼそれ自身」とする。
「ほぼそれ自身」の支持体を、縦で配置する大型ディスプレイとして映像再生に利用した。このスケール感の操作によって、「ほぼそれ自身」は「それ」ではないことが明らかになる。


本作において用いた日用品は4種類あり、どれも片手で持てるサイズである。それらが145cm、90cmの長方形の支持体に3次元データの映像が表示されている。
この四つの選定基準は、色、形。機能、情報を指標とした。機能、情報については、色、形と弁証法的な関係性を持つため、重複する点も存在する。
「機能は形態に従う」というように、それ自身に定着された「情報は形態や機能を包括する表象」となるのかもしれない。


Reference

works 02 Porträts | Thomas Ruff


works 12 jpeg | Thomas Ruff