Abstract
本作品は空間における構造と動きの関係性を再考することを目指した、インスタレーション作品である。
ここで言う空間とは、ある構造と動きにおける関係性の表れである。それぞれの空間には一定のリズムを刻む一つのオブジェクトとそのリズムに関係して動く三つのユニットを配置する。それを、空間の「構造」と「動き」の表象として位置付け、その表れを物理音で提示する。
現代には様々な空間が存在する。それは私たちが生活する物理空間や物理的な距離感が排除された情報空間などである。これらは、構造が先行し、それに従って動きが発生する関係性が存在する。私はこの関係性を再考したい。
fig.1 interSpace 展示風景
Process
基本構成は三つの構造と三つのユニットから成立し、タイムラインに応じて動きが発生、物理音によって動作が確認できる。はじめに現代の構造→動きの関係性を、リズムの構造を持つオブジェクトを支持体として動かし、それぞれの基本となる空間のリズムを造り出す。さらに周囲にある三つのユニットはそれに同期した状態で動かすことで現代の空間の表象を生み出す。
その後、上記の空間は時間が進むに従って再構成される。ここで再構成と記載したのは、あくまで構造が先行して存在する空間に対して、動きの要素から構造を書き換えることを意味する。
よって三つのユニットによって次第にリズムが再構成され、構造と位置付けられていたオブジェクトは動きに書き換えられ、空間を再構成する。
fig.2 リズム構造の基礎
fig.3 リズム構造の基礎 衝突による物理音の構造
fig.4 リズム構造の基礎 動き
interSpace
三つの空間
本作品では三つの空間を用意した。それぞれBPM80、BPM120 、BPM40の基本構造を持ち、それぞれに関係してユニットの動作が存在する。それらは大枠のタイムラインの中で動きが発生しており、順次、構造と動きの関係性における書き換えが行われる。ここで三つ構造を用意したのは、動作による物理音のリズムの表れから異空間を瞬時に構成するためである。
fig.5 基礎に連動するユニット
fig.6 ユニット機構
fig.6 ユニット