Abstract
本作品は撮影装置が読み込む像(光)の編集による、新たな撮影表現の確立を目標とする。撮影装置のデジタル化は、写真をデジタル画像化し、装置内部のソフトウェアの編集によって、物理的な記録に限らない表現を生み出した。これは装置が像をデジタルデータに変換した後の編集による表現であり、変換前の像を編集することで可能となる表現には目を向けられてこなかった。そこで本研究では、フルカラー3Dプリンターで開発する「偏像パーツ」を用い、変換前の像を編集することで新たな表現が創造できると考えた。具体的には像をデジタル画像に変換する撮像素子の手前に、偏像パーツを配置し、その透明度や色・形状の操作によって編集した像の撮影を行う。撮影した画像を元に、取り込んだ像が編像パーツを透過して撮像素子に定着するまでの、光の動きを観察する。
それらのリサーチから、編像パーツによって生まれた光の取り込み構造と撮影構造の間に存在する立体的な光の動きを三次元的にキャプチャする。本作品では撮影装置と像を取り込む装置の間の空間に焦点を当て、「撮像素子/編像パーツ/像」の立体的な関係性から、最終的には像の三次元撮影作品を発表する。
fig.1 PolygonType 3D
fig.2 PolygonType 3D 写真と造形
fig.3 PolygonType 3D 写真と造形.2
fig.4 PolygonType 3D 資料展示
fig.5 PolygonType 3D 展示風景