本作は、ファッションを軸にバイオマテリアル / アルゴリズミックデザイン / サーキュラーデザインを横断的に学ぶ、日本初となる意欲的な試みとして開催された「School of Fashion Futures」に参加した際に制作した作品である。
fig.1 身体のスキャンデータ
Abstract
参照し、模倣しあう物理空間と情報空間の間に介在する身体を利用して、二つの空間を行き来すること考え、制作を行った。
「School of Fashion Futures」は10日間行われ、私は間の休みに京都の街を探索した。歩いてみると、京都の二条から五条は格子状に道が構成されていることに気づき、調べてみると「碁盤の目」と呼ば
れるほどのグリッド形状であることを知った。古都でありながら、システマティックな形状をしていることに面白さを感じ、それをソフトウェアに読み込みパターンの生成に利用した。
パターンは、ソフトウェア上の京都の街の形状を基としてgrayscottモデルから生成する。このモデルは情報空間内のパラメータに沿った空間分布であり、京都の地形と相互作用したパターンとなる。このパターンを身体をスキャンした3Dデータに合わせて3D、2Dで出力し、3Dプリンタ、レーザーカッターを利用して形状を制作した。形状制作の素材となったスコビーレザーについても、コンピュータを利用して設計する生分解ベストとした。
fig.2 作品実物
fig.2 スキャンデータに応じたgrayscottモデル
fig.3 scobyを用いたベスト
fig.4 スキャンデータの形状に合わせた二次元展開
fig.5 scobyに彫刻したgrayscottパターン
fig.6 grayscottモデルの元となる京都の街区
fig.7 京都の街区から生成されたgrayscottモデルによるパターン